第15章 ダブリスの獣たち
その後、グリードの仲間の一人に催眠術を齧ったことがあるというスキンヘッドの男性がいたため、試してみることになった。
地下室の電気を消すと、窓のないここは完全な闇に包まれる。
が、それは一瞬のこと。
スキンヘッドさんがライターをつけると、そこだけ明かりが広がった。
ライターの火がゆらゆら揺れ、照らされたアルフォンスくんの影も一緒に揺れる。
「いいか?心を落ち着かせて」
スキンヘッドさんの声だけが地下室に響く。
周りを見渡せば、みんなじっと動かずに男性、と言うよりはアルフォンスくんを見つめている。
シュールな光景だな……。
「そのまま……、そう、この火をじーっと見つめて」
催眠術は淡々と行われていく。
アルフォンスくんも言われたとおりにライターの火を見つめるも……。
「ぜんぜんダメ」
「ダメでしたか」
地下室の電気が点けられると、あからさまに肩を落としているグリードたち。
私はそこまで期待はしていなかったが、彼らからすると相当なダメージだろう。
「催眠術でも記憶をさかのぼれないか」
「すみません。こういうタイプの奴は初めてなんで」
「面倒くせぇな。今度はオレに解体させてくれよ。錬金術なら少しやった事がある」
金髪の男性が前に出て来て、そう言った。
解体、という言葉に私は眉間に皺を寄せる。
さっきの私とグリードとの約束をこいつは聞いていなかったのか。
口を開きかけたところで、アルフォンスくんが先に口を開いていた。
「やるなら国家錬金術師クラスの人を連れて来てもらわないと。少しかじった程度の人にいじくられるなんて、たまったもんじゃないよ」
「気に入らねぇな。怖いものは何も無ぇってその態度」