第15章 ダブリスの獣たち
「アルフォンスくん!!」
「どうしてここにいるんですか?」
「アルフォンスくん、よかったです!!本当によかった!!」
「なんかあったんですか?」
迷子になったことを正直に話すのは恥ずかしかったが、恥ずかしがっている場合じゃない。
まさか会えるとは思っていなかったんだから、感謝しなければいけない。
「申し訳ありません。あなたを犠牲にしたばかりに私は迷子になってしまって、お店に戻ることができず……」
「そんな深刻になるほどのものじゃ……」
アルフォンスくんに会えたことが嬉しくて私は見落としていた。
なぜ、彼はここにいるのかということを。
「待ってたぜ、客人」
はっと我に返り、声のする方へと視線を向ける。
男性が2人と女性が1人が、私たちを囲むように立っている。
ガタイのいい男性はハンマーのようなものを、もう一人の男性は背中に刀を差している。
女性は丸腰だが彼らがただの一般人ではないことはその雰囲気からわかる。
「誰ですか、あなたたちは」
「あんたにゃ関係ない話さ」
刀を持っている男性が口角を上げて笑う。
「関係あるかないかは私が決めます。もう一度聞きます。あなたたちは誰ですか」
「さん、この人たちボクの秘密を知っているみたいなんです」
「え……?」
アルフォンスくんは私にくしゃくしゃになった1枚の紙を見せてきた。
そこには「おまえの秘密を知っている。西の工場跡地へ来い」と書かれていた。
だから、アルフォンスくんはここにいるのか。
偶然とはいえ、迷子になってよかった。
でなければ、彼を護ることさえできなかった。