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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第15章 ダブリスの獣たち







――・アールシャナside――




イズミさんの家に戻った後、彼らはイズミさんに全て包み隠さず話した。
彼らが話し終えるまで、イズミさんは口を挟まず黙って聞いていた。
ぽつりぽつりと話し始める彼らの姿を、私は少し離れた場所で見つめる。

どのくらいの時間が経っただろう。
体感にして1時間くらいだろうか。

全てを話し終えた兄弟はイズミさんと目を合わせられないのか、ただ俯くだけ。
長い沈黙がこの部屋を包みこむ。
聞こえるのは、水道から零れる水滴のぽちゃんという音だけ。
水滴が落ちるたび、彼らの心も沈んでいるのではないかと思うほど、空気が重い。

その時、ずっと腕を組んでいたイズミさんが静かに口を開いた。

「……三丁目の通りに………」

急に何を言い出すのかわからず、兄弟はお互いに顔を見合わせ、私も少しだけ目を見開いた。

「……カンオケ屋があるから自分のサイズに合ったのを作って来い!!」

バキバキと指の骨を鳴らすイズミさんの形相はまるで般若のようだ。
背筋が凍るほどの恐怖が襲っているのか、兄弟たちの身体がぶるぶると震えている。
その気持ち、お察しします。

イズミさんは「冗談はさて置いて」と息を軽く吐いた。

「あれほど人体錬成はやるなと言ったのに。師弟そろってしょーもない……」
「やっぱり師匠も……」

イズミさんはゆっくり自分のお腹に手を当てた。
子どもを失い、子どもを蘇らせようとした代償で、イズミさんは内臓をあちこち持って行かれたという。
そしてもう二度と子供を望めない身体になったとも。





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