第14章 鋼の錬金術師
「エド」
口に咥えていたタオルと目を隠していたタオルが外された。
ばっちゃんの顔が視界いっぱいに広がる。
「よく頑張ったね。手術は終わったよ」
終わった。
その言葉に思わず笑みが零れた。
「右腕が安定するのとあんたの体力が回復したら、今度は脚だ」
その言葉の意味を、すぐには理解できなかった。
今度は脚……?
まだ終わってないのか。
右腕しか……。
これを、もう一回……、もう一回あの痛みを経験するのか……。
喉の奥が詰まる感覚がした。
情けない声が零れそうになったけど、脳裏にアルの姿が浮かんだ。
手術する前に覚悟を決めたじゃないか。
こんな痛み、アルに比べたら……。
「ばっちゃん……。脚も今やってくれないかな」
「バカ言うんじゃないよ。エドの身体がもたない。無理をさせるわけにはいかないよ」
「でも……!!」
「急ぎたい気持ちはわかるが、せめて熱が引くまでは待ちな」
「待ってらんねえよ……」
起き上がって反論しようとしたが、右腕に激痛が走った。
「痛いだろう。神経を繋いだばかりだからね。暫くはその痛みが続く。そんな状態で脚の手術なんてできやしないよ」
「…………」
「それに、ここで無茶したら死ぬ可能性だってあるんだ。あんたがここで死んだら、一体誰がアルを元の身体に戻すってんだい?」
今度は何も言えなくなった。
オレは大人しくベッドに横になり、自分の右腕を眺める。
よくわからない管がたくさん繋がっている。
これが機械鎧の手術……。
言葉では言い表せないよくわからない感情が溢れて、オレは唇を噛み締めた。