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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師







――エドワード・エルリックside――


「ばっちゃん。オレは国家錬金術師になる」

軍の人達が帰った後、オレはばっちゃんにそう言った。
驚いた顔一つしないところを見ると、国家錬金術師の話を聞いてからばっちゃんはすでにわかっていたんだろう。

「だからオレに自由に動かせる手足をくれ」

ばっちゃんは呆れたように笑った。
本当は軍の狗になることを止めたいはずだ。
でも、オレの意思を尊重しているからか何も言わずに手術の流れを説明してくれた。
そしてすぐに手術の準備をしてくれて、次の日にはもうオレは手術台の上にいた。

「大人でも悲鳴をあげる機械鎧の手術だ。義足と違って、神経を繋ぐんだよ。それを手足一度にやるってんだ。おまえの身体にどれだけ負担がかかるかもわかっているんだね?」
「わかってる」
「……後悔しないかい?」
「うん。もう決めた事だから」

あの日、元の身体に戻る方法があるかもしれないとわかったら、じっと待っているなんてできない。
アルの身体がああなったのはオレのせいなんだから。
オレが一日でも早く取り戻してやらなきゃいけない。

「手術とリハビリでどれ位かかる?」
「まともに動ける様になるまで三年ってとこかね」

三年……。
そんなに時間はかけてられない。

「一年だ!」

一年で手術もリハビリも終わらせる。
血反吐を吐くことになるってばっちゃんは言ったけど、それがなんだ。
それくらいの覚悟は承知の上だ。

手術している間、アルは部屋の外でずっと待っていることになる。
不安と緊張、心配が入り混じった様子でオレの顔を覗き込むアルに「もう少しがまんしてくれな」と声を掛けた。

「オレが元の身体に戻してやる」
「うん。その時は兄さんの身体も一緒にだよ」

そう言ってオレ達は拳と拳をぶつけ合う。
アルが手術室を後にするのを確認し、オレは息を深く吐いた。
麻酔が打たれる。
完全に痛みを消せるわけじゃないって手術前にばっちゃんが言ってた。
心臓がうるさく鳴っている。
正直、怖い。
だけど、怖がっている時間はない。





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