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堕ちて、乱れて。

第1章 暗闇 / 五条悟



「…えっ?…暗い!…!」


気が付くとなつはパイプベットに寝かされていた。
何故こうなっているのか分からず動揺したなつは直感的に思ったことを口に出してしまう。

今日は日曜日で彼氏とデートの予定だった。
いつも待ち合わせをしている駅のロータリーで彼を待っていたはずだった。
新しいワンピース、可愛いって言ってくれるかな。
なんてそわそわしながらスマホでSNSを更新しようとスマホをタップしていた。
そこから記憶がない。目が覚めたらこの状態だった。


両手は片手ずつ手首に革製と思しき手枷が付けられてパイプベットのフレームに繋がれて固定されていた。
両足首も同様に繋がれて固定されていたので今のなつの体勢は控えめの大の字の状態だった。
拘束から逃れようと身を捩って抵抗する度にジャラジャラと鎖の音がうるさい。

部屋は真っ暗だ。窓ひとつない。
照明も無ければ照明のスイッチの場所を知らせる小さな光すらも無い。
完全な暗闇だった。そして静寂だった。



「やあ、起きたんだね。大橋なつちゃん」



暗闇のどこからか爽やかな男の声がする。
ごくりと何かを飲み込む音と何かをコト、と置く音。


「真っ暗な部屋はどう?目隠しもしてないのに何にも見えないの、ソソる?」


男は軽薄な口調でそう尋ねてくる。
暗闇の中、なつは何処にいるのかも分からない声すらも聞いたことない男に名前を呼ばれてドキリとして生唾を飲み込んだ。
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