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堕ちて、求めて。

第5章 ピンク色 前編



なつは今日数年間片想いをしてきた男性を連れて行きつけのバーへとやってきた。
扉を開く動きに合わせてベルが揺れる。


「…くぁ…おかえりくださいませ」

「はいはい!常連のなつちゃんだよー!今日は二人なの。いつもの場所、座っていい?」


小さく欠伸をしながら出迎える彼。
とても接客店員とは思えない態度だがこれが彼の通常運転だ。
スマホに目を向けていた彼はなつの言葉に反応してスマホをポケットに仕舞うと入口に目をやる。
そこにはいつもひとりで来店するはずのなつが男と並んで店の入口に立っていた。
女友達でも連れてきたのかと思っていた彼は一瞬目を丸くして固まった。


「…今日は一人じゃないのか」


すぐにいつものぶっきらぼうな様子に戻った彼は二人をなつがいつも座るカウンター席に座るよう促した。
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