第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「そうだよ。表情を作る時の参考にする為にも見るよ」
「良い顔してる。これとか、かっこいいな。雰囲気が違う」
美しいアップを写した一枚を見て言う。
「甘露寺先生の秋のモードメイクね。唇を際立たせて、髪もセクシーにするの。これ、楽しかったな」
アイロンで毛流れを作ったクラシカルなウェーブは、極上の女性美を表現していた。
「色っぽいな…」
不死川は嬉しそうだ。色々なひなたを見られるので、またネットなどで検索して見てみようと思いながら次の写真を出す。
「…これ…」
不死川が短く呟いた。
「ん?…どれ」
一緒に覗くと、スタジオでソファーに寝そべったひなたが、レースの下着姿で写っている写真だった。
黒いレースの下着は、白い肌のひなたが着ると、その美しい生地やデザインが際立っていた。しかし露出も多い。
思わず口ごもる不死川。この写真は何用だろうかと思う。
…いやらしい類いの物ではないのだろう。…でも。
「これ、何の仕事? 」
「…下着だよ。イタリアのなの。大人のデザインだけど、そういうブランドなの。不死川さんが思ってるようなのじゃ…ないよ」
イタリアの高級ブランドだ。大人の女性の為のランジェリーだけど、デザインはかなりセクシーだ。
「分かるけど…これ、やり過ぎじゃないのか…」
ひなたの胸の谷間は見え、透け感もある。美しい肢体は憧れるような曲線を描いており、何とも魅力的ではあるが、不死川は彼女にこんな格好をして欲しくないという思いが湧き出していた。
「…でも、大切なお仕事の一つだから…」
ひなたにすれば大事な仕事だ。このお仕事は誰でもできる仕事ではなかった。向こうからひなたが良いと、オファーがあり、ひなたの為に作られた下着もある。
「…仕事、選ばないのか…」
「どういう意味? 」
二人の間に誤解というか混乱が生じていた。