第5章 陵南戦
「でもじゃない!!」
ベンチに響いたの声は、まるで試合の空気を一瞬で切り裂くようだった。
「出てないあんたらが気持ちで負けてどうすんのよ!ゴリ先輩は魚住さんと互角…ううん、たぶん上。仙道さんを流川が抑えられれば絶対に勝機はある。」
言葉が一気にまくし立てられる。
「ヤスさんもシオさんも2年間やめずに頑張ってきた。メガネ先輩だってあのゴリ先輩に3年もついてきた男なの。湘北が陵南を倒したって、おかしくない話よ」
言葉が熱となって、湘北ベンチにぐわっと広がっていく。
桑田・石井・安田の表情が、一瞬で引き締まる。
ベンチに沈んでいた敗北ムードが、少しずつ剥がれ落ちていくようだった。
コート上でもその声は確かに届いていた。
赤木が振り向きざまに目を細め、木暮は息を整えながら頷く。
花道ですら「お、おぉ…」と目を丸くしている。
しかし、それは陵南も同じだった。
仙道は小さく笑い、魚住は「面白ぇ」と呟くように鼻で笑った。
そして、また仙道が攻め込んでくる。
その動きはまるで風のようで、湘北のディフェンスをすり抜ける。
安「あっ!」
石「アリフープだ!空中で取ってそのまま…」
一瞬、体育館が息を呑む。
その瞬間――
「コラ流川ー!あんた何回同じ手口に引っ掛かってんの!手抜いてんのかぁー!!私と1on1してるときのあんたはもっと強いでしょうが!!」
流川の肩がビクッと揺れた。
流「あっ…」
雷に打たれたように目が冴え、次の瞬間、仙道のダンク体勢へすっと腕を伸ばし——