第7章 インターハイ予選までの1週間
「告白する前は、今までの関係が崩れるのが怖かった。でも花道は今まで通りでいようって言ってくれたんです。私もそれを望んでた」
三「…」
「でも…でも…なぜかそれが苦しくて…苦しくてたまらないんです…自分もそう思ってたはずなのに…花道は期待通りの答えを言ってくれたのに…モヤモヤして苦しいんです…」
言葉にした瞬間、胸の奥に溜め込んでいた感情が一気に込み上げてきた。
喉が詰まり、視界がにじむ。
必死に瞬きを繰り返し、涙を押し戻そうとする。
三「…そりゃ苦しくもなるぜ。桜木にはそんなつもりはねーんだろうが、それって自分は他の子を好きでいるけど、お前には今まで通り"桜木を好きなお前"でいてくれってことだろ」
その言葉は、鋭く、しかし静かに胸を突いた。
は、その瞬間ようやく理解した。
ずっと胸の奥に引っかかっていた“モヤモヤ”の正体を。
歯を食い縛り、声を押し殺そうとする。
けれど、こらえきれなかった。
「うっ…くっ…」
三「…我慢すんなよ。今ここには俺とお前しかいない。…自分の気持ちに嘘をつくのは辛いだろ」
その言葉が、最後の堰を壊した。
は、とうとう泣き出した。
「ううっ…うー…ぐすっ…ひっく…」
嗚咽混じりの泣き声が、静まり返った体育館に落ちていく。
その場には、慰めの言葉も、急かす声もなかった。
ただ、ようやく本音を吐き出せた時間だけが、静かに流れていた。