第7章 インターハイ予選までの1週間
一方、は花道のクラスの前に立っていた。
教室を覗くと、そこには花道と――
少し鬱陶しがられている水戸の姿があった。
花「お前今日やけに話しかけてくるな」
洋「まぁそう言わず、もう少しだけ俺に付き合えよ」
(洋平……私が今日告白するって分かってて、引き止めてくれてたんだ……)
花「俺は部活に行くんだ!」
洋「あぁ!だからもう少し……」
「花道!!」
花「おぉ!!部活に行くぞ!離せ!」
花道は水戸を振り払うようにして立ち上がった。
水戸は肩をすくめ、苦笑いを浮かべる。
「花道、ちょっといい?」
花「お?なんだ?」
は「いいからいいから」と言わんばかりに、花道の背中を押して教室を出た。
その瞬間だけ、水戸の方を振り返り――
小さく口を動かす。
(ありがと)
洋「どういたしまして。頑張れよ」
その声は、誰の耳にも届かないまま、教室に溶けていった。
人の気配が少ない、階段の踊り場。
は、そこでようやく立ち止まった。
花「どうしたんだ?」
「花道」
花「ん?」
一瞬、息を吸う音がやけに大きく聞こえた。
「私……花道のことが……花道のことが……」
言葉は、まだ続きを選べずに宙に揺れていた。