第7章 インターハイ予選までの1週間
「いいよ、許す。私もひねくれたこと言ってごめん。1on1も続けよ。でも回数少し減らしてほしい」
流「…分かった」
短い返事だったが、そこに拒否の色はなかった。
「じゃあ私これからちょっと大事な用あるから、また後で」
流「今日部活来ねぇのかよ」
「行くよ。用事終わったらすぐ行く。じゃあまた」
そう言い終えると同時に、流川の手からするりと離れ、は廊下を駆け出した。
流川は、伸ばしかけた手を宙で止める。
流(大事な用って、んだよ…)
胸の奥に残ったもやつきを振り払うように、流川は顔を背け、そのまま体育館へ向かった。
その一部始終を、少し離れた場所から晴子が見ていた。
晴(流川くん……ちゃんと話すとき、真剣な顔したり、楽しそうな顔したり……他の子と全然違う……)
今も、明らかに引き留めていた。
その事実が、胸に静かに刺さる。
晴(流川くん、きっと……ちゃんのこと……)
そこまで考えて、晴子は視線を落とした。
胸の奥に、言葉にできない感情が広がっていく。