第6章 リョータ・三井復帰
花「この…」
振り返ろうとした花道の頬へ、鉄男の拳が容赦なく叩き込まれた。
一発。二発。三発。
鈍い衝撃音が体育館に反響し、そのたびに花道の身体が揺れる。
「は、花道…」
震える声で名前を呼ぶが――
花道へ一歩踏み出そうとした瞬間、木暮が腕を掴み、強く引き止めた。
木「ダメだ天羽!」
「で、でも、花道が危ないから…うう…」
涙で声が裏返る。
花道が殴られる音が、胸に突き刺さるように響く。
木「今は天羽だって危ないんだ!!」
「私はマネージャーだからどうでもいい!でも花道は…花道は選手なんです…怪我が命取りになる…」
必死の叫び。
彼女の視界は涙で揺れ、花道の姿が滲んで見えなくなる。
木「天羽、マネージャーだからどうでもいいなんてことはない。マネージャーだって大事な部員だ。それにマネージャーである前に、天羽は女の子だ。怪我をわざわざ負う必要はない」
「メガネさん…」
その優しさに、ほんの少しだけ呼吸が整う。
だが次の瞬間―――
鉄男は花道の頭を乱暴に鷲掴みにし、そのままドアへ向かって全力で突進した。
「花道!!」
木「なんてことだ…桜木…」
ゴンッ!!!
鉄の扉に叩きつけられた衝撃音が、体育館の空気を震わせた。
花道の身体が大きく跳ね、床へ崩れ落ちる。
「は、花道!花道!!」
涙を溢れさせながら、叫び続ける。
花「、そんな喚くんじゃねぇ」
ぼろぼろの姿で、それでも花道の目は冷静だった。
「はっ…ひっく…花道…」
花「親分を信じろ」
「うん…うん…信じる…花道…ぐすっ…」
涙は止まらない。
だが“信じろ”と言われれば、胸がただ熱くなる。