第6章 リョータ・三井復帰
宮「確か水戸とか言う奴だったが…あいつが言ってた花道ってのは…」
宮城は信じられないといった顔で、花道を指差す。
花「くっ…!!あいつら他人事だと思ってベラベラと…ふぬ」
「洋平のこと知ってるのね」
宮「あぁ。お前は確か天羽だよな。お前の名前は言ってなかったと思うが…」
「ギクッ…わ、私の話はまた今度…あはは」
気まずく笑う。
しかし宮城は容赦なく花道に問いを重ねる。
宮「お前、俺より上ってことは一体何人にフラれたんな?」
花「ギクッ」
宮「15人くらいか?」
花「もっ、もうちょびっと…」
宮「じゃあ20人?」
花「も、もう一声…」
宮「まさか30人…」
「そ、それ以上は…」
花「いや…ほんの50人ばかり…ハハハハハッ!中学3年間で」
その数字に、宮城はブランコごとひっくり返りそうな勢いでのけぞった。
宮「ごっ50人?」
花道は強がるように大声で笑った。
宮「す、すげぇ…」
花「たったっ大したことないよ、ハッハッハッ…」
「褒めてないよ…」
花道の“物理的に落ち込みようのない明るさ”に、宮城はしばし呆然とした。
花(今の俺にはいつもバッチリ応援してくれる晴子さんがいるけど…こいつは…振り向いてもくれない彩子さんのために…バスケに命をかけてなんとけなげな…可哀想なやつ…)
宮(50人からもフラれるなんて世の中広いもんだ…俺よりこんな超不幸な男がいるとはかわいそうになぁ…それにしても俺には彩ちゃんがいるから…)
(私とそっくり…振り向いてもくれない人を好きなんて…私は51回フラれてるけど…)
公園の静かな空気の中、
3人はそれぞれの“報われない恋”を抱えたまま、どこか同じ痛みを共有していた。
気づけば、互いに笑い合っていた。
バカみたいな失恋回数も、
頑張りすぎてズルいくらい真っ直ぐな気持ちも、
全てさらけ出せてしまうほど――
3人はもう、立派に“仲間”になっていた。