第5章 陵南戦
振り返ったその横顔に、光が差し込んで輪郭を際立たせた。
彼の瞳は、さっきまでコートで燃えていた鋭さとは違う、
もう少し柔らかく、どこか子どものような期待の色を宿していた。
は、そんな彼の目を真正面から受け止めると、
迷いも照れもなく、短く、しかし真っ直ぐに告げた。
「期待してる」
その一言は、たった数秒の静寂を破るように流川の胸を撃ち抜いた。
流「…おう」
返事は淡々としているのに、
声の端には隠しきれない“喜び”が滲んでいた。
たった二文字なのに、
すべてを物語ってしまうほどの熱がそこにはあった。
流川は心なしか機嫌良さそうに、軽く肩を回しながらコートへ歩いていった。
背中はわずかに軽やかで、足取りには迷いがない。
晴(流川くん…嬉しそうだった…流川くんはちゃんのこと…)
晴子は、胸の奥がきゅっとなるような感情を押し隠すように目を伏せた。
その頃、安西先生が流川と花道を呼び寄せ、
ふたりに何かを静かに告げていた。
花道と流川は同時に顔をしかめ、揃って「嫌だ」と言ったように見えたが――
試合が再開された瞬間、その理由がはっきりする。
2人で仙道をマークしたのだ。