第5章 陵南戦
その後、仙道へのマークを赤木が引き継ごうとした。
だが――花道は下がらなかった。
自分に任せて欲しいと、誰より強い目で赤木を見返し、仙道に再び挑む。
「花道…」
その声には、心配と誇らしさが半分ずつ混ざっていた。
しかし、次の1対1でも――
仙道は冷静に、見事に得点を決めた。
それでも。
「ドンマイ!花道!よく追いついたわ!次よ次!」
声の奥に、花道への揺るぎない信頼が灯る。
(花道本当にかっこいい…たとえ止められてなかったとしても、諦めないその姿勢が、そういうところが私は大好き。かっこいい。頑張れ、花道)
その後、赤木が気迫の一手を決めるも、仙道はすぐさまやり返す。
陵南、強い。
一年生たちの声が震える。
桑「ダメだ…凄すぎる!仙道が」
佐「あの流川でさえ止められなかったんだ…初心者の桜木には無理だよ…」
だが晴子だけは、まっすぐに花道を見ていた。
晴「でっ、でも桜木くんいいディフェンスしてるよね!あの仙道さんを相手に。この前バスケを始めたばかりとは思えないくらい、いいディフェンスしてるよね」
晴子の言葉に、がすぐ続ける。
「うん、花道はまだ経験があまりないから取られてしまうけど、経験を積めば仙道さんを倒すことも本当に夢じゃないかもしれない」
晴「それにあの子、この試合の中でもどんどん上達してるわよ。その証拠に…」
その言葉が終わるより早く。
花道がボールを追って壁へ突っ込んだ。
ドン!!
「あー!花道!!」
ファンや応援席もざわつく。
はすぐに立ち上がり駆け寄ろうとしたが――
花道は、悔しさを噛みしめながらもすぐに起き上がり、ぐっと拳を握ってコートへ戻る。
(諦めずにボールを追う姿もかっこいいな…)
その姿勢だけで胸が熱くなる。
流川が肩を回しながらベンチから立ち上がる。
流「先輩、そろそろじゃねえ?ラスト2分だろ」
潮田が交代の指示を受け、ベンチへ。
再び流川がコートへ戻る瞬間――
彼は一度だけベンチのの方へ視線を向ける。
まるで“言葉を待つように”。
その視線を受け、はそっと名前を呼んだ。
「流川」
流「ん」