第5章 陵南戦
そう思った次の瞬間だった。
まるで機を待っていたかのように、仙道がしなやかな身のこなしで一気に加速し、コートを切り裂くように攻め込んできた。
それを見た赤木は、流川を再投入しようと一瞬だけベンチへ目を向ける。
――その“ほんの一瞬”。
「ゴリ先輩!よそ見しないで!」
鋭い叫びが飛ぶ。
赤「なに!?」
赤木が慌てて正面に目を戻した時には、もう遅かった。
仙道がゴールへ舞い上がる。
空気を切り裂く音。しなる腕。リングが悲鳴を上げる。
ズバァン!!
圧倒的なダンクが決まり、さらに接触プレーによってバスケットカウント。
陵南の歓声が爆発する。
そして、ついに――
点数は再び逆転された。
(仙道彰…やっぱりすごい…腹が立つ人だけど、バスケにおいては本当に学ぶべきところがたくさんある選手だ…)
胸の奥がギリと軋む。
悔しさでも、嫉妬でもない。
“純粋に強い相手を目の前にしたマネージャー”の気持ちが押し寄せてきていた。