第19章 インターハイ予選へ
お守りと手紙を握りしめて大地が私を見る
暗くてはっきりとは分からないけど
時折通り過ぎる車のライトでみる大地の表情は今にも泣いてしまいそうな顔をしていた
『大地に元気になってもらいたかったし‥ちょっとでも喜んでもらえたならすっごい嬉しい!』
みんなに喜んでもらえたのはもちろん私たちもとっても嬉しくて
笑顔で見上げると大地にギュッと抱きしめられた
「ありがとな‥‥ほんと‥‥ありがと‥」
横断幕を広げた時のみんなの顔
潔子さんと準備してきたものがあんなにも喜んでもらえてとっても嬉しかった
「絶対‥‥‥勝つから」
『うんっ!』
「絶対‥春高連れていってやるから」
『楽しみにしてる!』
抱きしめられて距離が近くなった大地の顔は
車のライトがなくてもはっきりと見えて
泣きながら笑っていて
私の胸にもグッと熱いものが込み上げてきた
「一回戦突破したらご褒美貰おうかな」
『‥‥え?』
「楽しみにしてる」
涙が溢れそうになってぐすっとすすった鼻を指先で摘まれると
ほっぺたに軽くキスをされる
『〜っ?!』
「さ、早く寝るとするか!」
そう言ってニカッと笑うといつもみたいに
大きな手でくしゃくしゃと頭を撫でられた
「おやすみ」
『おやすみっ‥!また‥明日!』
「おう!また、明日な」
そう言って今度は軽くおでこにキスをすると
手を振りながらお家の方へ帰っていった
「おかえり!みんな横断幕とお守り喜んでくれたか?!兄ちゃんも準備バッチリで‥‥って顔赤いな?!熱か?!」
『た‥ただいま!みんな喜んでもらえたし‥熱もないから大丈夫だよ!』
「そうか?ならよかった!今日は兄ちゃん張り切ってカツ丼作ったからな!食べたらすぐにお風呂入って寝るんだぞ!」
『わぁ!ありがとう!』
大地が触れたおでこと頬の熱を誤魔化しながら
お兄ちゃんが作ってくれたカツ丼を食べて
お風呂を済ませて
お布団に潜り込むとたくさんの人からメールが来ていた
黒尾さんや研磨
及川さんに烏野のみんなからも
応援や感謝の言葉で胸がいっぱいになりながら眠りについた
いよいよ明日はインターハイ