第10章 *File.10*(R18)
「朝まで一緒にいて」
「…私は仕事です」
長いキスの後の第一声が、それっ?!
本音をいえば、今まで逢えなかった時間の分、私だって仕事なんか行かずにずっと景光と一緒にいたいよ!
話だって、たくさん聞きたい!
「風見さんに送らせる」
「ゼロみたいに部下扱いしていいの?」
「階級はオレの方が上だから、問題ない」
確かに、同じ警視庁の公安部だけど!
私情でこき使わないであげて!
風見さんは年齢は私と同じで、景光達より一つ上。
「もしかしなくても、実はもうそこまで連絡済み、だったりする?」
「もちろん」
「……」
と、さも当たり前のように、景光は頷いた。
ゼロの部下として多忙なハズなのに、もう本当に何から何まですみません!過ぎる!
「風見さんが、気になる?」
「誰にヤキモチ妬いてるの!ただ、風見さんが不憫なだけです!」
「じゃあ、さっき、カルガモ状態だったのは?」
「…カルガモ」
「スーツ、握ってたよね?」
うわっ!
しっかり見られてた!
「…此処に来るまで、緊張と不安で怖くて仕方なかったから」
夜中だからとか時間的なものは関係なしに、とてもじゃないけど平常心でいられなくて、一人でなんか来られなかった。
『みなさん、ご無事ですよ』
風見さんのその言葉以上のことを訊ねることさえ出来ずに、病室まで歩いた。
風見さんはこんな私の気持ちを察してくれたみたいで、黙っていてくれてたし。
って、私の方こそ、色々お気遣いいただいてすみません。だわ!
「…ごめん」
「もう謝らないで。全ては終わったこと、でしょう?」
景光のことだから、全てが終わって、全てを整えた上で、私を風見さんに迎えに行かせたんでしょう?