第10章 *File.10*(R18)
「家に帰ったら…」
「ら?」
「抱き潰すから、覚悟してなよ」
「何時もされてます。けど?」
宣言をしてみれば、サラッとした返答。
否定は出来ない、かな?
「我慢しない」
「いやいやいや、いっつも我慢なんか一切してないでしょ?」
「何時も我慢してるかどうかは、帰ってからのお楽しみに」
「おっ、お楽しみになんか、絶対しないから!」
「くくくっ」
うん。
雪乃は何時もどんな時もめっちゃくちゃ可愛くて、素直に癒されるよ。
今この腕の中にあるキミの温もりや、何気ない普段通りのキミとの会話で。
さっきまで感じていたはずの緊張とか重荷が、何時の間にか不思議と一瞬で消え去っている。
逢えない間、ずっと求めていた、たった一つのオレの宝物。
キミの存在を隠し通し、傷付けずに護り抜けて本当によかった。
とは言え、オレの職業柄、これからも常に油断は出来ないのが悩ましい。
「景光」
「ん?」
「夜も遅いし、そろそろ寝た方がいいよ」
「…嫌だ」
「怪我人でしょう?」
「ずっと雪乃と一緒にいたい」
「なに子供みたい、んッ!」
雪乃が振り返った瞬間に頭を固定すると唇を重ねて、そこで言葉を遮った。