第11章 エレン誕生日 せめて今日だけは…
アンナが何度もキスを落としてきた
気持ち良くなってきて体を起こしアンナを抱きしめ深い口付けを交わす
キスに夢中になりながら 腰に添えていた手はアンナの胸を揉んでいた
ようやく唇を離すとすっかり日も沈んで暗くなり代わりに青白い月が空で輝いている
アンナは自ら服を脱いで全裸になった
「エレンのせい…体が熱いの」
森の中でつけた痣がアンナの鎖骨や胸に赤く散らばっている
瞳は潤んで呼吸は浅くなっているアンナはすごく官能的で ゾクゾクと欲情した
俺もすぐに服を脱ぎ捨てアンナを組み敷き 柔らかな肌に歯を立てる 昼間にあれだけ求めたのに また2人で快楽に溺れていった…
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腰が痛くて動けないと 言うアンナを背負い波打ち際を散歩する
「昨年の……」
俺の耳のそばでささやくアンナの声は鼓膜に伝わり脳髄を甘く痺れさせ 俺をただの恋に酔った男にする
「昨年の誕生日はエレンは私と一緒にいてくれたでしょ…だから今年はミカサとアルミンの番かな……って思って遠乗りする事にしたの
でも今年も大好きなエレンと一緒にいれる……幸せだな……」
「アンナに出逢えて 俺も幸せだよ……」
「好き?」
「好きじゃたんねぇよ」
これから先の未来はアンナが夢みてる様な未来なんか訪れはしない 俺は悪魔になる――そう決めた
「エレンは私のすべてを捧げた人だよ だからずっと一緒にいたい 傍にいさせてね」
傍にいてくれと懇願したいのは俺の方だ それなのにアンナは俺が欲しい言葉を言ってくれる
背中の温もりが愛しくて また涙が溢れてしまいそうになるのを必死に我慢した
「アンナ……ずっとずっと一緒にいような――…来年もその先も―俺の誕生日はアンナにやるよ……」
「特別な日をくれるの?ありがとう…」
俺が産まれた日…残酷な未来が産まれた日でもある
だけど――せめて今日だけは
俺がこれから犯す罪から目を反らす事を――…
愛しい人の傍でただの男でいる事を――許してほしい―……
「エレン…また2人で海に来ようね」
「あぁ…――約束な…」
「うん…約束だよ」
アンナは首を伸ばし俺が横を向くと自然と唇が触れて約束のキスを交わした