第2章 リヴァイ 狂犬
「てめぇふざけるなよ!」
「うるさいなぁ…自分が言ったんじゃん 手加減しないって!だから私も私の戦い方をしただけ アンタの負けでしょ?」
「折れた枝を投げて妨害しやがっただろうが!」
「地下街からきたゴロツキがなに甘い事言ってんの?
ブレードで切りつけた訳でもないし ただわざと折った枝をアンタに当たるように蹴っただけ それを避ける余裕がない時点でアンタは負けたの!」
それから3回勝負したが立体起動を使った演習場を1周するスピード競争はアンナの全勝だった
「アンナさんスゴいですね!あの生意気なゴロツキの鼻へし折りましたね!」
「これで少しは大人しく…」
勝負を見ていた団員はアンナの勝利を喜んで リヴァイに対してあからさまな嫌味を口にする
その言葉にアンナは鼻で笑った
「アンタ達…何言ってるの?私はこのコースは目を閉じてても大丈夫なくらい覚えてる リヴァイより有利だっただけ お互いに初見のコースなら私は負けてた
鼻をへし折った?大人しくなる?今の立体起動の操作を見て本気で言ってんならアンタ達全員兵士辞めなさい 馬鹿は死ぬだけよ」
言いたい放題のアンナに
「アンナ…そこまでにしなさい 今日は少し口が汚いようだな」
そう言ってたしなめたのは後ろから歩いて来たエルヴィン分隊長だった
「口が汚いのは認めるけど 本当の事を言っただけ」
アンナは不貞腐れてそっぽを向いた その向いた先にはリヴァイがいてエルヴィンをじっと見ている
「私に負けたリヴァイ君!ちょっと付いてきてくれる?」
眉間に皺を寄せたリヴァイがすごく嫌そうな顔をした それでもアンナは澄ました顔をしてリヴァイと睨み合う
「付いてこれないなら…来なければいいよ」
「待ちなさいアンナ…まだ話は終わっ…」
挑発的な言葉をリヴァイに残し エルヴィンの声に返事もせずにアンナはアンカーを発射して低く速く飛んだ
「クソが!!」
ただでさえ鋭い三白眼が怒りを帯びてリヴァイも地面を蹴り上げてアンナに付いていく
「アンナとは今度じっくりと話をしないといけないな…」
と呟き2人を見送るエルヴィンの微笑みに残された団員たちは震えた
分隊長…全然目が笑ってない!