第11章 エレン誕生日 せめて今日だけは…
昼食を食べていたらアルミンが隣に座った
「珍しいなお前だけか?アンナは?」
「アンナなら朝食を食べた後に 調教してる馬を3頭つれて遠乗りに行ったよ 野営して明日帰るって」
「また1人でか?あぶねぇな…」
「普通の女の子なら心配だけど…アンナだから大丈夫だよ」
訓練生の時にミカサとアニの始めた対決は白熱して ライナーでさえ止めるのにしりごみしたのに
小さくて小柄なアンナが掴み合う2人に近づき 顔に土を投げつけ目潰しをしてから2人を蹴り倒した事をアルミンとジャンは思いだした
「まぁそうだな…普通の女じゃねぇもんな… エレンはどこだ?」
「さっき港にいる団長から伝達がきて港に向かう準備してる」
「軍艦が来るのか?お前は行かなくていいのかよ」
「軍艦なら僕も呼ばれると思うけど 違うみたいだよエレンの継承者の記憶がいるみたい」
「ふーん… ミカサは?」
「コニーとサシャと一緒にライフルの射撃訓練に行ってるよ…
ねぇ…ジャンは誰に用事があるの?」
「……まぁ 聞いただけだ」
アルミンは気付いてないのか…
゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
準備をすませ 厩舎に向かう 港に行くのは半分は本当で半分は嘘だ
伝達は昨日届いて 明後日の30日に港に来てほしい と書いてあった
アンナが遠乗りに行くのは知っていたから 29日にアンナと途中の巨大樹の森で合流する約束をしてる 今日は2人でのんびりと遠乗りをして港から離れた浜辺で1泊する予定だ
アンナの出発時間とずらしたから多分みんなにはバレてない
自分の馬の所に行くと 手綱に紙が巻かれてあった 紙を開いて見ると
待ってるから早くきてね
愛しい人の可愛らしい文字とメッセージに思わず顔が緩んでしまう
こんなにもアンナが甘えん坊だとは思わなかったな…
手紙をポケットの中に入れて 馬を柵から出し装備を着けてエレンは壁外へと馬を走らせた
2時間ほど馬を走らせ待ち合わせ場所に着くと アンナは巨大樹の下にキルトを敷いて眠っている
巨大樹の枝や葉の隙間からこぼれた光がアンナの白い肌やプラチナブロンドの髪に当たりキラキラと反射している
馬から降りて近づきそっと隣に座ると 気配に気付いたアンナは目を覚ました