第10章 リヴァイ 誕生日 ②
幹部棟にある来客用の浴室に熱いお湯の準備をしていると
浴室にエルヴィンが顔をのぞかせた
「おや ハンジか…」
「エルヴィンも外見たの?」
「ハンジもか」
「あれだけ 雪玉を当てあってたら服も濡れて体も次第に冷えてくるだろうからね 可愛い2人に風邪なんかひかせられないじゃない」
エルヴィンも同じ事を思ってここに来たらしい
2人でエルヴィンの部屋に戻り窓の外を見るとカナコがリヴァイに馬乗りになり 拳を空にあげていた
「カナコが勝ったみたいだな…」
そのまま見ていると2人はなんかいい雰囲気になりカナコがリヴァイにキスをしだした
「ねぇエルヴィンあの2人は幹部棟から丸見えなの分かってるのかな?」
「リヴァイは分かってるみたいだ」
エルヴィンの視線の先を見るとカナコのキスから解放されたリヴァイの目がこっちを見ていた
なら遠慮なんかする事ないか…
窓をおもいっきり開く
「お2人さん仲がいいのは分かったら!いい加減にしないと体を冷やすよ!」
「また見られちゃったね」
ハンジの声が聞こえてカナコが笑いまたキスをする
「んっ…あと7回…」
「7回?」
「26歳だから26回するの だから後7回…」
「馬鹿が…」
数えてたのかよ…
白い息を吐き 全身雪まみれになり笑うカナコの顔がまた近づいてきた
あと6回…
「カナコ…残りは部屋でしねぇか?キスをここにも欲しいが ここじゃ出来ねぇだろ?」
俺の腹に乗っているカナコに分かるように体を少し移動させた
「2人ともいつまでもイチャイチャしない!来客用の浴室に熱めのお湯を入れてるから体を暖めておいでよ
あっ!ほらカナコの顔が真っ赤じゃないか風邪ひいちゃうよ!」
ハンジが大声で叫ぶ
「続きは風呂か…悪くねぇな」
真っ赤な顔をしたカナコは俺と目が合うと 立て続けに6回キスをして
「もう終わり!」と言って逃げたが慌てているから雪に足を取られてこけた
こけたカナコに手を伸ばす
「分かったしねぇよ…だから風呂に行くぞ」
『26歳のリヴァイも好き』か…
俺に沢山の小さな幸せをくれるカナコに26歳の俺はまた振り回されるんだろう…
まぁ それも悪くねぇな
カナコの冷たい手を握りしめながら思った