• テキストサイズ

**彩とりどり** 【進撃の巨人・短編】

第10章 リヴァイ 誕生日 ②



起きたら鼻先が冷たかった

一晩燃えていた薪は火が小さくなっていて 起きてすぐに新しい薪を入れる

パチパチと乾燥した薪が燃える音がして 今日の朝が静かな事に気付いた


「もしかして…」

気温差で曇っていたガラスを手で拭うと 外は白銀の世界だった

10年…10年ぶりの雪だ!

毛糸で編んだ帽子を被りマフラーを巻いて兵団支給の防寒着を着る 靴下を2枚重ね履きして外に駆け出す


誰の足跡もない雪の上を歩くとクギュクギュと懐かしい音がした

まださらさらとした雪を持ち上げ投げたり足で蹴ったりして走り回り 1人ではしゃいでいると雪に足をとられて転げた

そのままくるくる転がって仰向けになり見上げた空は白くて 私の吐く息も白かった

「はぁ…楽しい…やっぱり私は…」


冬が好きだ !



ストーブに火を着けた時の灯油が燃える匂い

霜柱を踏む感触と音

雪が積もった日の静かな朝

月光にキラキラと輝く雪


吐く息が白くなると冬がはじまったのを感じて嬉しくなった








この世界も雪だるまって作るのかな

花壇の上に積もった雪を手にとり丸くして小さな雪だるまと雪うさぎを交互作り並べ 枝と葉っぱで手と耳を着けた

次は何を作ろうかと考えつつ雪玉を何個も作る



「なにやってんだよ!」


リヴァイがコートを着て扉の前に立っていた

「雪!雪だよ!リヴァイもおいでよ楽しいから!」

私は頭から全身雪まみれだ

走り回ったり転がったりして動いてたから体はぽかぽかしてる


「いかねぇよ…寒いから戻ってこい」

息を切らして1人はしゃいぐ いい大人にリヴァイは呆れて言うと私に背を向けた


私の手元にはちょうどいい雪玉が沢山あるのだ


1つ目はリヴァイの背中に当たった 振り向いた所に2つ目を投げたら 抜群のコントロールでリヴァイの顔に当たる


一瞬なにが起きたか分からなかったみたいで ポカン と驚いた顔が可笑しくて


「やった!当たった!」


グッとガッツポーズをして拳をリヴァイに向けた

まだ固まっているリヴァイに残りの雪玉を投げる


顔に当たった2つ目以降は腕や足に当たり5つ目の雪玉はリヴァイが手で叩き落とした


「カナコ!」

あっ怒ったかな?残りの雪玉を投げきると 私はダッシュで逃げていく 絶対逃げきれないけど…




/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp