第15章 決別
「…少し小耳に挟んだ事があってな。それについて、聞いてみたかったんだよ。」
「…エニシに、か?」
「あぁ。あいつ、未来を知っているんだってな。前に鬼鮫が笑い話として話していただろ。」
そう言うと、イタチは少し渋い顔をする。
「あぁ、そんな事もあったか。」
「まぁ、それに関連することだ。」
「…関連する何を聞いたんだ?」
引き下がらない様子に、内心、予想通りだと笑う。
「大したことじゃない。世界大戦が勃発するってんで、本当か嘘か聞いてみようと思ったんだ。」
そう言うと、イタチは息を呑み、目を見開いた。
彼にしては珍しい反応だ。
「…そんな不確かなものを信じると言うのか?」
小さく問いかける声からは困惑が窺えた。
「お前は信じないのか?」
答えが分かっていて、敢えて問う。
「いや…。」
サソリの予想通りイタチは否定する。
そして、視線を彷徨わせながらも少し俯いた。
「…エニシはなんて?」
「起こるんだとさ。あと一年足らずの内に、と言っていたか。」
「そう、か…。」
「あぁ。これで満足か?」
「あ、あぁ…。」
ーやっぱりな。これもこいつなりの嫉妬の一種か?
サソリは、済んだ話に興味を失い部屋へと戻っていく。
ー…世界大戦、だと?
イタチは聞いた話を咀嚼しきれず、一人呆然と立ち竦んだ。