第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「あなた確か…。うちはの子だったわよね?綱手のところの…。」
混じる様に話に入ってきたのはメイだった。
「あ、お久しぶりです。エニシです。照美メイさん…ですよね?」
「あら、覚えててくれたの?」
ふふっとメイが嬉しそうに笑う。
「特徴的美人だったんで記憶に残ってました。相変わらず妖艶ですねぇ。」
「やだ〜!あなたも相変わらず褒め上手ねぇ。」
にぱっと笑うエニシに計算はない様に見える。
これが素だというから末恐ろしい、とカカシは内心呆れながら彼女を見やる。
てしてしっとエニシを叩きながら照れ臭そうに笑うメイからは警戒心は殆どない。
するりと相手の懐に入ってしまうのは昔から変わらないようだ。
「うちは一族…なのですか?」
遠慮がちの問いにエニシの目が長十郎に向く。
「はい、うちは一族です。…えっと、あなたは?」
「あ、えっと…、申し遅れました。メイさんの補佐をしています、長十郎と申します。」
「あ、エニシです。初めまして。」
何処となくぎこちない言葉を交わした後、二人はぺこりと頭を下げ合う。
それが終わると、何故かエニシはまじまじと長十郎を見始めた。
「…あ、あの〜…。」
「…もしかして、ヒラメカレイなんてモノ持ってたりします?」
「「え…!?」」
エニシの言葉に、メイと長十郎の顔つきが強張った。
ヒラメカレイは霧隠の誇る忍刀の一つであり、宝刀と言っても過言ではない。
「…何故あなたがヒラメカレイの存在を知ってるの?」
「その刀は存在そのものが知られていないと思っていたんですが…。」
困惑気味の二人に、明らかに失敗したと言わんばかりに顔を引き攣らせるエニシ。
この時期、ヒラメカレイは長十郎が譲り受けるまでは里に隠されていたのだ。
故に忍刀が七本あるということは知られていても、名前までは知られてはいないと思っていた。
だからこそ二人は驚いたのだが…。