第30章 螺旋の薔薇【🌟 → 主 ← 🌹 ✉️*】
(なんで、オレだけを見てくれないんすか)
彼女の素肌を唇で辿りながら、己の内で聴こえる悲鳴のような自我を呑み下す。
ドク、………ドク……ッと急く聖者の証をじかに感じ取りながら、すん、と甘い匂いを吸い込んだ。
桜と桜桃が調和し混ざりあったような、可憐で心惹かれる匂い。
「アモン……?」
………と。ヴァリスが己のおもてを見下ろしてきた。
戸惑いのなかに、自分を案じている温かな煌めきが映っている。
「………っ」
その綺麗な瞳に見つめられることが、今はどうしようもなく胸が軋む。
「………………。」
アモンは何も言わずに、己の胸元を飾っていた薔薇のコサージュ付きのリボンタイを解く。
そして、その目元を覆った。
「やっ………なんで、」
視えぬ世界のなか、必死に指を伸ばしてくる。
その指と指を絡めたラムリがぐっと彼女を自分のほうへと引き寄せた。
「大丈夫ですよ、主様。ボク達はここにいますから」
囁いただけで、その唇から「ひぁっっ」と艶音が零れ落ちる。
彼女を腕に包み込みながら、ぐっと頤に指をかけ後方を振り向かせた。
「ん………んんんぅ、」
ラムリと舌先を絡め合う淫猥なキスを交わす光景を見ながら、
アモンは指をのばして片手で右胸を掬い上げる。
胸の膨らみの曲線を辿り、すりすりと乳輪を撫でる。
花に指を伸ばすかのような優しく繊細な手付きでも、
幾度もラムリに抱かれたその身は快楽として響くのだろう。
ましてや今は視覚を遮断されている為に、より強く感じ取ってしまうらしく、
ふたりの腕のなかで踊るように乱れた。