第15章 ★止まらない熱情
「神坂ちゃんと約束しててさーあ。お邪魔していい?」
「どーぞどーぞ」
突然の会話の展開に焦った。今私は素っ裸のはずだ。足音が近付く。
「ちょっと待って!」
大声を上げて、慌てて布団を首まで被った。ほどなくスミレさんが仁王立ちで私の前に現れる。
「あら昼寝してんの。呑気なもんね」
「ごめんなさい。寝坊っていうか突然ジョーが来て……その」
「はぁーん。そういうこと」
マスカラの盛られたスミレさんのまつ毛がバサバサと上下に動き、流し目が注がれる。
勘繰られて、ただ頬を赤らめることしか出来ない。
すると悟が近付いてきて私とスミレさんの間に割って入った。
「約束してたところ悪いんだけど、千愛のハロウィンは僕が独占していい? もう仮装も終わってんだよね」
悟の言葉に自分の体を覗いてみると、私は裸ではなく再びウェディングドレスを着せられていた。
私の体を起こした悟が、そのまま手を取って私を立たせる。
「妻にしようと思って千愛を迎えに来たの」
「ひゃっ、やっばぁーい! ボブ見てぇー!」
乙女みたいに頬に手を当てたスミレさんがボブのいる玄関へと駆けていく。