第6章 デートの練習
「ねぇ。千愛は誰にでもそうやってほわんって口開けんの?」
「開けるわけないでしょ恥ずかしい」
「僕だけー?」
「……僕だけ」
そう言うと、機嫌良さそうにまたチョコサンデーをたっぷり私の口の中に入れてくる。
パクって食べてスプーンに付いてるクリームを少しねぶる。
そんな私のねぶり顔を、五条先生は頬杖ついてサングラス越しにじーって見てる。
その視線は……どこか熱っぽくて……
ちょっとだけ……エロい。
席が一番奥でよかった。こんなところ誰かひとりでも見られたら恥ずかしくって死んじゃいそう。
◇
食事を終えて洋食屋さんを出た後は、CDショップやカフェ、ファッションビルが立ち並ぶ通りをぷらぷらと歩いた。
さすが渋谷だ。オシャレで個性的なお店が並んでいて、眺めているだけでも楽しい。
五条先生のリードのおかげか、縦並びしていた時に比べたらデートはかなり慣れてきた。自然体でいれるっていうのかな。変に力を入れずに一緒に歩ける。
気になるものが目に入ったら袖を引っ張って「ねぇ、見て可愛い」って声をかけると彼はそれを面倒くさがらず「どれどれ?」って聞いてくれる。
些細なことだけどこんな事が嬉しかったりする。