第6章 デートの練習
五条先生は、はっきりとした答えを言わず、ヒントを出すみたいにして私に考えさせてるけど、六眼が使えない目でいったい何が見えたって言うんだろう。
そういえば持病の症状が出る直前、五条先生は私に向かって何か話しかけていたような……。
思い出そうとすると、また頭痛が蠢き出して右のこめかみがズキっと痛みを訴えてきた。咄嗟に傷を手で抑える。
それを見たのか五条先生がパンっと一回手を打ち鳴らした。
「その話はおしまい。今は甘ーいデートの時間ね」
「え、あーうん」
もっと話を聞きたかったけれど、五条先生は私の体調を気遣ったのだろう。進捗があれば伝えると言って、そこで調査の話は終わった。
だけど気のせいかな。
先生は地上に上がってからずっと私の事を観察しているような気がする。
あまりに見てくるから、チーク濃いめに入れすぎた? 口紅はみ出てないよね? なんて鏡で何度も確認したくなるほどに。