第6章 デートの練習
ソファ席に腰掛けて向かい合わせに座り、五条先生に「はい」ってメニューを渡す。先生はそれをテーブルに広げた。
「千愛のおすすめはどれ?」
「よくぞ聞いてくれました。ナナミンの大好物、カスクートが絶品なの」
「ふぅん。じゃ僕はオムライスね」
「おい」
熱のこもった私のリコメンド聞いてた? カスクートの写真すら見ず「ホタテのバター焼きも美味しそうだねぇ」ってサイドメニュー見てる。
私がナナミントークをすると時々こういう態度に出るのはなんなんだろう。と言いつつ私も……。
「じゃ私は牡蠣グラタンで」
「ククッ、七海関係ないじゃん。オススメはどこ行ったの?」
「だって冬期限定メニューだし、あったかいの食べたいじゃん?」
「つまり七海はその程度ってことだよね」
「なにそれー」
満足気な顔して変な人。気を取り直して私は料理を待っている間、渋谷事変の調査の事を五条先生に訊ねてみた。