第6章 デートの練習
「家族や周りの協力は?」
「あぁ、うん……」
彼の質問に答える形で少しだけ説明を加える。
会社には既往症として持病の事を伝えているけど、周りにはほとんど知らせていないってことや、家族は近くにいなくて、金銭面でも実生活の面でも助けてくれる人はいないって、そんな話。
「大変な思いしてんだね。千愛は明るいし全然わかんなかったよ」
「あまり気にしないで。発症する事は稀だしさっきのも再発とは少し違うんだ。それに知ってると思うけど私、結構たくましいよ。これまでも自分でやってきたしこれからも平気!」
前を向いたまま、へへって笑った。胸を張って背筋をぐんと伸ばす。しっかり掴んでいた五条先生の袖も、軽く手を添える程度に持ち変える。
そうして隣を見上げると、五条先生は私の顔をじっと見つめていた。