第6章 デートの練習
「寒くない?」
「うん平気。ごめんね色々と迷惑かけちゃって」
「気にしないの。別に迷惑じゃないしね」
垂れ下がったマフラーの端をふわっと首に巻いてくれる。
その指先に温もりを感じてマフラーに顔をうずめると、ふんわり五条先生の匂いがした。
抱きしめてくれた時と同じ匂いで不思議と安心する……。
「帰って休む?」
柔らかな声が聞こえて顔を上げるとサングラス越しに青色の瞳と視線がぶつかった。私はふるふると首を横に振る。
「まだデートしたい?」
こくんと小さく頷くと、彼は心なしか嬉しそうにして「んじゃこのまま続行ね」って私の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
時計を見るとちょうどお昼の時間帯になっていたから、ランチでもしようかって話になり、私は立ち上がって再び五条先生の袖を掴んで歩き出した。