第6章 デートの練習
「ジョー。私も2018年のハロウィンまで時を戻す。五条悟になれたりはしないけど、同じ気持ちでここに立つから。一人じゃないからね」
「ふふ。僕がナーバスになってるとか思った? 千愛はほんとに優しい子だね」
「私ならそうなるかなって」
「大丈夫ありがとね。僕のメンタルまで気にかけてくれるなんて、あっちじゃそんな扱い受けないから新鮮だよ」
「そっか……。最強だし何でもできるしマイペースだから悩むなんてことないってみんな思ってるのかもね」
「まぁ、実際そうだしね」
「だけど、最強だって誰かにいてほしい時はあるんじゃない?……人間じゃん」
五条先生は一瞬、虚をつかれたような顔をしたけどすぐに元の顔に戻り、その問いかけに対しては否定も肯定もせずただ優しく笑った。
何か言いたげにも見えたけど、それ以上は踏み込まずにいると、しばらくして私の頭にぽんっと軽く手が置かれる。
「ありがとう。その言葉だけで充分だよ」
そう言った彼の顔はいつも通り明るく見えて、どこか少し寂しげにも見えた。