第6章 デートの練習
すんごい事をさらっと言ってくる。朝帰りって、それをするのが五条先生のデフォルトなの?
私、そんな風に見えるのかな。彼氏がいない事は同居を始める時点で伝えたけど、それから男関係の話はしていない。
私の交流関係があまり活発じゃないのもその病気の後遺症みたいなものだ。うまく距離感が掴めなくて相手と深く関わる事に躊躇ってしまう。
「合コンとかあるでしょ」
「私は多分、彼氏は出来ない。私のこと彼女にしたいなんて思わないよ」
「んー? どう言う意味?」
それは相手の男性が病気の事を知ったら彼女にしたいと思わないっていう意味だ。だけどこの話を今、五条先生にするのはすごく億劫で、適当な理由を考えた。
「私二人っきりでデートとか苦手だし」
五条先生はポカンと口をあけた。
しばらくそのままだったからおそらく話の続きを待っていたのだと思うけど、その一言で私の話が終わりだと分かると、ふぅとひとつ息をついた。
「そんだけ? デートが苦手だから引っ込んでアニメ見てんの?」
「……うん、まぁ」
それ以上に何も言える言葉がない。
「ないないないない、よくないねぇ。若い女の子がどっぷりアニメに浸かってデート出来ないとかさー。そんな事してたらあっという間に干涸びて、お婆ちゃんになっちゃうよ」
「そう言われても……」
困ってしまい黙り込む。