The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
実際に未来を見た訳じゃない。
武道から聞いただけの話……だけど、稀咲はダメだって何故か本能から言われている気がした。
稀咲は絶対にダメだって。
「幹部連中ら驚いてたな」
「え?」
「タケミっち…人を突然殴らなさそうな顔してんじゃん?なのに急に稀咲を殴ったし。和泉は和泉でオレらにすげぇ殺気向けてきたし」
「え、あ、…それは…本当にごめんなさい」
「大丈夫だ。和泉はそれほどタケミっちが大事って事だよな」
「まぁ…そうですね」
「少し、羨ましいな。タケミっちが」
何故か寂しそうな表情をした三ツ谷先輩はその後は何も言わずに歩いて行ってしまう。
どういう意味なんだろうか…どうして武道が羨ましいのだろうか。
うーんと唸りながら、理解しようとするが何しろ人とお付き合いをするのはこれが初めて。
理解しようとしても人の心情はなかなか分からないものだからなとなんかの小説で読んだ気がする。
「三ツ谷先輩、三ツ谷先輩」
「なに?」
「なんで羨ましいんですか?」
「…教えねぇ」
「何でですか、教えてくださいよ」
「嫌だ」
「なんで!」
「恥ずかしいから!」
「何が!?」
「言いたくねぇって!!」
顔を真っ赤にしている三ツ谷先輩を追いかけながら、執拗いぐらいに聞いていたが段々と面白くなってきた。
そろそろ調子に乗らずに辞めておくかなぁと思った時には遅かったようだ。
頬を片手で掴まていて、そろそろと視線を上にあげれば顔を真っ赤にして口元をヒクヒクさせている三ツ谷先輩。
「和泉……」
「調子乗ってすみませんでした」
「謝罪が早いなぁ…。まぁ、気になるのは分かるけどオレが羞恥心で死ぬから辞めて」
「…………はい」
「最初の間が気になるな〜。まぁ、何時か教えれる時が来たら教えるから」
「待ってますね。気になるから」
話してくれるのは何時だろうと思いながら、三ツ谷先輩の隣に立って歩き出す。
不思議とさっきのやり取りだけで随分気分が明るくなってきた。
なんて思った時だ。
ポツポツ……と頬に冷たいものが触れて上を見上げた瞬間ザーー!!!と強い雨粒が落ちてきた。
「わっ!!??」
「雨!?曇りで降らないんじゃなかったのかよ!和泉、こっち!雨宿り出来る所行くぞ!」
「は、はい…!!」