The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
そして手術室の扉が開いた
中からは治療をしただろう医者達が出てくると、更に緊張感が増す。
「…一命はとりとめました」
「へ?」
「手術は成功です」
「よーーーーっしゃあぁああ!!!やったぁー!!!ドラケン君が助かった!!!」
「うっせーよ、オマエ」
「ひぃーんヒナぁぁぁ」
「よかった、ホントによかった」
力が抜けて思わずその場にしゃがんだ。
手術は成功した…龍宮寺先輩は死ぬ事なく生きている。
その事が本当に嬉しくて、ホッとして今までの緊張の糸がやっと切れた。
また身近な人が死ななくて良かった。
誰も悲しむ事が無くて良かった…そんな気持ちが溢れ出していれば、肩に誰かの手が乗る。
「大丈夫か?和泉」
「三ツ谷先輩……」
顔をあげれば三ツ谷先輩が、嬉しそうに笑っていたがその目尻には涙が溜まっていた。
そして小さく頷けば柔らかい笑みを浮かべる。
「外で東卍のメンバー待ってるから知らせにいくぞ!!」
「ハイ!!」
東卍のメンバーという事は全員来ているのだろうか…そう思っていれば、林先輩だけがその場に立ち尽くしていた。
気まずそうに顔を俯かせながら…。
「ん?ぺーやん君?」
「オレ…は…みんなに会えねぇ…」
「……ぺーやん。オマエがパーちん想ってやっちまったって事はみんな分かってくれるよ…」
「三ツ谷…」
「でもな!ぺーやん。1番パーちんの事考えてたのはドラケンだかんな」
三ツ谷先輩の言う通りだ。
龍宮寺先輩は、この真夏の中で会えもしないのに少年院まで来て林田先輩の御両親が出てくるまで外で待っていた。
そんな事普通の人間はなかなかしない。
会えないのに面会に行って待つ。
龍宮寺先輩はずっとそれを繰り返していて、誰よりも林田先輩を気にかけていたのだ。
「ドラケンはあれから毎日、パーちんの親と一緒に面会行ってたんだ。親族しか会えねぇのにさ、差し入れ持って面会中はずーっと外で一人待ってさ。そんなドラケンをオマエはハメたんだ!」
「ドラケン…」
「ちゃんと謝れよ。ドラケンにもパーちんにもみんなにも…」
「……うん」
林先輩の声は震えていた。
きっと後悔などの念が押し寄せているのだろう…自分がしてしまった事に対しての。
すると歩いていた三ツ谷先輩が足を止めた。
「おかえり、ぺーやん」