The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
そこからはあまり覚えてない。
龍宮寺先輩の苗字を叫んでから頭が真っ白になり、そして気が付けば病院に着いていた。
なんとか意識を保ちながら、救急車から降りれば看護師や医者が集まっていた。
そしてタンカーに乗せられている龍宮寺先輩も救急車から降りている。
「状況は!?」
「腹部刺創深し、出血多量!!」
「搬送中に心肺停止!!非常に危険な状態です!!」
その後オレと武道はそれぞれ手当を受けていた。
応急処置されている時は、龍宮寺先輩の方ばかり見ていたから気付かなかったが傷は意外と深かったらしい。
医者からは『また明日来てください』と言われてから、俺は治療室の待合場へと向かう。
いつの間に来ていたのか、エマと橘とタクヤ達がいた。
「エマ…」
「和泉っっ…、ドラケン…ドラケンがぁぁっ…!!」
「…エマ」
「和泉、さっき医者が…覚悟してくれって…」
「覚悟…」
また聞いた事ある嫌な思い出の1部。
眉間に皺を寄せながら、記憶に無理矢理蓋をしてから壁に寄りかかった。
待合場は酷いくらいに静かでエマの泣き声だけが聞こえてくる。
「嘘だよ…嘘って」
「そんな…心肺停止って」
「怖いよぅヒナぁぁ」
「エマちゃん…」
するとこちらに近付いてくる足音が聞こえた。
誰か来たのだろうか…そう思い目線を足音が聞こえてくる方へと向ける。
「和泉!!タケミっち!」
「三ツ谷先輩…!林先輩っ!」
「ドラケンら!?ドラケンは無事か!?」
「三ツ谷君!!ぺーやん君!!」
走って来たのは三ツ谷先輩と林先輩であった。
二人は焦った表情であり、龍宮寺先輩はどうしたのだと聞いてきて武道は唇を噛み締める。
「キヨマサがドラケン君を刺したんです…。その後、病院に運ぼうとしたらキヨマサ達に足止めされて…」
2人に説明すれば、三ツ谷先輩は驚いた表情のまま眉間に皺を寄せた。
そして林先輩は目を見開かせて、ただただ唖然としている状態。
そうなっても仕方ない。
自分たちの仲間が仲間を殺そうとしたのだ…そうなっても無理は無い。
「クソっ!!」
「嘘だろ…キヨマサが?」
「病院に着く前に……もう、脈が……」
「タケミっち」
震える声で説明する武道を、知っている声が呼んだ。
その声に釣られるように振り向けば佐野先輩がいた。