The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
応急処置を受けている間、龍宮寺先輩の容態が急変した。
いや、急変しておかしくない…あれだけの血を流していたのに立ち上がったりしていたらしいから。
「血を失いすぎてる!」
「被覆と止血急げ!!」
「瞳孔3・3有り有り!!」
「ドラケン君!」
救急隊は慌ただしく言いながら、龍宮寺先輩に応急処置をしている。
だが状況は芳しくなく、そして昔の記憶と今の龍宮寺先輩が重なり呼吸が苦しくなっていた。
唇を噛み締めながら、顔色が悪く浅い呼吸をしている龍宮寺先輩を見た。
傍にいれば良かった…修二を相手にせず、早くに龍宮寺先輩を探していれば良かったと後悔の念が押し寄せる。
「病院まであとどれくらいだ!!?」
「意識レベル30刺創深し!」
「呼吸30、脈拍127!!」
「大丈夫なんですか!?」
「かなり危険な状態だ!座って!!」
「っ……龍宮寺先輩っ!」
お願いだから死なないでくれ。
そう願いながら拳を握りしめ、震える体をなんとか落ち着かせようとしていた時だ。
龍宮寺先輩が武道へと手を伸ばした。
「ドラケン君!!」
「龍宮寺先輩……」
武道が龍宮寺先輩の手を握る。
出血が酷かったせいが、肌の色が悪くその色に眉を寄せていれば龍宮寺先輩がオレを見ていた。
そして『イズミっち』と名前を呼ばれて、オレも武道の手の上から龍宮寺先輩の手を握る。
「ありがとうな、タケミっち。オマエは俺の恩人だ…」
「止してくださいよ、そんな言葉(セリフ)。ドラケン君には似合わないっスよ」
「イズミっち…。お前もありがとうな」
「俺、お礼を言われるような事してませんよ…」
「タケミっち、イズミっち。マイキーを…頼む…」
「…え?」
「は…?」
車載モニターが0を表示したのと同時に『ピー』という、あの忘れもしない嫌な音が響き渡った。
そしてオレと武道の手を握っていた龍宮寺先輩の手は、力なく下がっている。
そして音に反応した救急隊員は慌ただしくなり、龍宮寺先輩に心臓マッサージを始めた。
心臓マッサージを始めたということは、この嫌な音がなるという事は…。
「ドラケン君?」
「心肺停止!!!意識レベル低下CPR急いで!!」
「……りゅぐうじ、せんぱいっ…」
「ドラケン君ッ!!!」
「龍宮寺先輩っっ!!!!」