The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
苛つきが篭った言葉に半間はただ笑うだけ。
和泉が怒っている理由は勿論半間は分かっている…自分に嘘をついたからだ。
幼い頃に和泉だけには嘘をつかない。
そう約束していたにも関わらず、半間は隠し事をしており彼女の問にも答えなかった時もあった。
「だいたい、お前なんで俺を捕まえろって指示したんだっ!」
「うおっ」
「避けるな」
「無茶言うなって〜。お前の蹴り当たって前に脳震盪起こしたんだからよぉ」
笑いながら半間は楽しげに和泉の蹴りを交わしながら、半年前の出来事を思い出す。
あの時半間は彼女が機嫌が悪い事を知っておきながら、揶揄いキレさせ見事に脳震盪を起こす蹴りをお見舞された。
(修二相手すると面倒臭いんだよな…)
苛つき、疲れ、情。
全てが半間へと向いてしまう事が疲れてしまう…だから和泉は半間を敵に回したくない。
だが今回知らぬ間に半間は敵側となってしまった。
半間は和泉にとって大切な幼馴染なのだ。
武道と同じくらい…だから絶対敵に回りたくないと思っていたのに…そう思えば思う程和泉は虚しくなる。
そう思っていた時であった。
「ドラケンくん!ドラケンくん!!」
「っ!武道…」
遠くからドラケンの名前を呼び探す武道の声が聞こえる。
それに反応した和泉は、この抗争でドラケンが命を落とす可能性がある事を思い出した。
(龍宮寺先輩はこの駐車所で刺されて死ぬ…。誰かに襲われる前に探さないと…)
和泉が気を散らしている事に気付いた半間は、連れて去るなら今だろう。
そう思い手を伸ばした瞬間、和泉は近くにいた愛美愛主の男の首根っこを引っつかまえるとそのまま半間目掛けて投げた。
「おっ、と!」
「今、お前に構ってやる程暇じゃないんだよ!!」
「あの細さで男投げれる力あるとか…。ほんと、赤ん坊の頃から面白いのなんの♡」
「何が面白いんだよ…」
そう呟きながらも、和泉は前に立ちはだかる愛美愛主の人間達を蹴散らしながら武道の方へと向かっていた。
だが彼に近付こうとすればするほど、邪魔が入り苛立ちはピークに達する。
「殴って蹴っても湧いて来やがって…蛆虫かよ!」
蹴散らしても湧いてくる人数に舌打ちをしていた時、彼女の背後に男が現れた。