The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「行くぞ!」
「はい…!」
家を飛び出し、三ツ谷先輩は素早くインパルスに跨るとエンジンをかける。
そして俺も飛び乗るかのようにダンデムに乗ると、荒々しくバイクが走り出した。
スピードは段々と速くなっていて、雨が顔や肌に強く当たり雨の冷たさに体温が奪われていく。
そして三ツ谷先輩はかなり運転が荒くなっていた。
(龍宮寺先輩…何もなければ良いけどっ)
もし何かあれば…
武道が望んでいる未来にならない、アイツがまたあんな傷付いた顔をしてしまう。
「ぺーやん…頼むから何もするなよっ」
苦しげに呟く三ツ谷先輩の言葉に眉間に皺が寄る。
彼にとって龍宮寺先輩も林先輩も大切な仲間であり、争う事は嫌だろう。
「悪ぃ和泉、飛ばすからしっかり掴まれよ」
「はいっ」
俺が返事したのと同時にバイクの速度が更に上がり、車を何台も追い越してはすれ違っていく。
これで警察に見つかったら直ぐに止められるだろうけど、運がいいのかパトカーは通っていなかった。
そして暫く走ると、武蔵神社の駐車場が見えて龍宮寺先輩はいないだろうかと思っているとそこには武道の姿があり目を見開く。
「武道!!」
「タケミっち!?」
俺はバイクが止まる前に飛び降りると、武道がいる所へと走っていく。
すると武道は俺と三ツ谷先輩が来たことに驚いたのか、目を物凄く見開いていた。
「三ツ谷くん!和泉!!」
「あれ?オマエ一人?ドラケンは!?」
「お前、龍宮寺先輩と一緒じゃないの?」
「やばいんスよ三ツ谷くん、和泉!!ドラケンくんが襲われる!!」
「ああ…わかってる!」
「え!?知ってたんスか?」
「キヨマサ君に」
「ペーやんだろ!」
二人が出した名前が違った。
武道は確か喧嘩賭博の主催者であったキヨマサの名前を出し、三ツ谷先輩は林先輩の名前。
双方お互い違う名前が出たことに驚いていた。
「は?」
「え!?」
「ん?キヨマサ……?」
何故、武道はキヨマサの名前を出したのだろうかと思いながら首を少し捻る。
そして三ツ谷先輩はバイクを止めてから降りて、こちらに歩いてきた。
「マイキーは捕まったパーちんを金で助けようとした。でもドラケンは反対した」
「それは仲直りしたハズじゃ…」
「お前のおかげだよ」