The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
あまりにもボーとしていたのか、三ツ谷先輩が心配そうに顔を覗き込んでいた。
誤魔化すように悟られないように、笑みを浮かべれば三ツ谷先輩は少し怪訝そうな表情になりながらも追求はしてこない。
(追求しない所が、三ツ谷先輩の優しさだな…)
安堵しながらも、また露店を探索を始めた。
イカ焼きや焼き鳥にベビーカステラ、惹かれる物を買って食べてと久しぶりにのんびりと何かを楽しめた気がする。
そして祭りに来て小一時間ぐらいだろうか…。
「ルナちゃん、寝そうですね…」
「だな…。マナも眠そうだし」
「「ふぁ〜〜…」」
遊び疲れたのとお腹が満たされたのだろう。
ルナちゃんは俺の手を握ったまま、コクリコクリと船を漕いでいる状態でマナちゃんは眠たげに目を擦っていた。
「そろそろ帰るか」
「そうですね。ルナちゃんおいで、おんぶしてあげるから」
「ん〜…おんぶぅ」
「和泉、オレがするからいいよ」
「お兄ちゃん、マナもおんぶぅ」
「……悪ぃ、1人頼んでもいいか?」
「くっ、ふふっ……はいっ」
この兄妹面白いな。
そう思ってしまい、笑いながらルナちゃんをおんぶして三ツ谷先輩はマナちゃんをおんぶしてから武蔵神社を出ていった。
帰る道中は、2人のようにお祭りで疲れて眠ったしまった子達が親におんぶされたり抱っこされたりと帰っていた。
やはりどこの家庭も同じなのだろう。
「今日はありがとうな」
「何がですか…?」
「祭り、一緒に来てくれて。ルナマナもすげぇ喜んでたし、オレも和泉と来れて良かった」
「俺も…三ツ谷先輩とルナマナちゃんと来れて良かったです。凄く楽しかった…誘ってくれてありがとうございました」
「おう!」
そして帰宅後。
さっきまで天気が良かった筈なのに、雨が突然ポツリポツリと降り出した。
その雨は暑さを凌げるような冷たさではあったが、何か嫌な事が起きるかのような前触れ感じてしまうのは俺だけだろうか……。
「家に帰った途端土砂降りだなぁ…」
「ですね…。にしても、この季節なのに雨が冷たい…」
家に到着して、ルナマナちゃんを起こして先に家に入れた途端土砂降りだった。
俺と三ツ谷先輩は少しだけ濡れてしまっており、濡れた服から雨の冷たさを感じる。
まだ夏だというのに…。
何故こんなにも雨が冷たいのだろうか。