The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
なんて言って、三ツ谷先輩はするっ…と頬に手を添えてきてから俺の瞳を覗き込む。
一体どんな風に三ツ谷先輩の目には俺の瞳が写っているのだろうか。
そう思いながらも彼の瞳を見れば、露店の明かりでシルバーパープルの瞳が何時も以上に輝いていた。
(三ツ谷先輩だって、綺麗なのに…)
本人は気づいていないのだろう。
自分の目だって綺麗な事に…なんて思っていれば、三ツ谷先輩は親指の腹で頬を何度を撫でてくる。
「み、三ツ谷先輩……?」
「やっぱ綺麗だよな…」
真顔でただただ見続けられてしまい、体が思わず硬直してしまっていた。
どうしようかと内心焦っていれば、走ってくるドタドタという足音が聞こえてくる。
その音が更に近付いた瞬間、三ツ谷先輩の体が大きく動き『うおっ!?』という叫び声が飛び出す。
まさかの叫び声に驚いていれば、三ツ谷先輩の背後からルナちゃんが顔をひょこっと出していた。
「ルナちゃん…!」
「ルナ、お前っ……」
「金魚すくい楽しかった!」
「楽しかった!!て、お兄ちゃんなんで腰抑えてるの?」
「ルナ……お前がっ、腰に突っ込んでくるから…」
プルプルと震えながら腰を抑えている三ツ谷先輩に、思わず笑いそうになり口元を抑える。
相当痛かったのだろうけども笑ってしまう。
「和泉……笑いすぎだっ」
「すみませんっ…。腰、大丈夫ですかっ…ふっ、くく」
「ルナぁ〜…人に飛びつくな!怪我したらどうする!?」
「ごめんなさぁい…」
舌をペロッと出してからあまり反省していない様子なルナちゃんに、三ツ谷先輩は溜息を零しながらも何回も腰をさすってから曲げていた腰を伸ばす。
「……金魚すくいは楽しかったか?」
「「うん!」」
「なら良かった」
三ツ谷先輩はネチネチと怒る訳でもなく、楽しかったと笑う二人を愛おしげに頭を撫でていた。
その光景が酷く羨ましくて、目を伏せながら下を俯いてから少し長い息を吐く。
羨ましい…怒られた後にああして頭を撫でられるのが。
俺も昔は鳴ねぇや秋にぃ…そしておばさんに悪い事をした後は怒られて頭を撫でられた。
だけどそんな3人が居なくなってからは……。
「和泉?」
「え……」
「大丈夫か?ボーとしてたけど……」
「は、い……大丈夫です。すみません、ボーとしてしまって…」