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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


「お祭り!」

「お祭り〜!」


歩きながらルナマナちゃんは嬉しげに『お祭り』を言いながら、時折浴衣の袖をヒラヒラさせて遊んでいる。
そして武蔵神社に近付く度に、浴衣を着ている人達や祭りに行くのに嬉しそうにしている子供にその子供と手を繋ぐ親等が道で溢れていた。


(そういえば…武蔵神社って1回、鳴ねぇ達と行ったような記憶がある気が……)


さほど遠い記憶という訳ではない。
だがまるで白い膜がかかったような、思い出すを拒むような何かがある。

俺と鳴ねぇと真一郎くんと……武蔵神社の祭り、行ったっけ?
ふとそこまで思い出して首を傾げながら、何故思い出せないのだろうと悩む。


「和泉お兄ちゃん?どうしたの?」

「何かあった?」

「和泉?」

「あ、いや…何でも無いです…」


さっきの何だったのだろうか…。
朧気な、思い出しちゃいけないと言われているような記憶の一つ。

(そう思ってるだけで、ただ覚えてないだけかもな…)


不思議に思いながら、その記憶を脳の端っこにやっていれば右手を誰かに握られる。
その感覚に驚いて右側を見ればルナちゃんが俺の手を握っていた。


「ルナちゃん?」

「お祭り楽しみだね」

「……そうだね」


俺の様子がおかしいと、恐らく幼いながらに勘づいたのかもしれない。
少しルナちゃんの表情が硬かったが、俺が笑えば和らいでいた。


「あっ!人いっぱいだ!!」

「ホントだな。やっぱり祭りは人が多いからな…ルナマナ、迷子ならないように手繋いでおくか」

「和泉お兄ちゃん、手繋ごう!」

「マナも!」

「おい……兄ちゃんとは繋がないのかよ」


二人とも俺の手を握り、歩き出し三ツ谷先輩は口元をヒクヒクとさせながらも溜息をついて歩きだした。
祭りには沢山の露店が並んでおり、焼き鳥に焼イカやりんご飴と色んなのがズラッと並んでいる。

ルナマナちゃんは露店を見るなり目を輝かせており、その様子が凄く可愛らしい。
そして『あっち見たい!』『こっち見たい!』とはしゃぎながら手を引っ張ってくる。


「こら、ルナマナ!あんまり和泉引っ張るなよ!!」

「分かってるー!」

「お兄ちゃん、あっちにりんご飴ある!食べたい!」

「はいはい…。悪ぃな和泉」

「いえいえ。賑やかで楽しいですよ」
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