The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
礼拝堂へと続く道を歩いていきながら辺りを見渡す。
今まで教会には入った事が無かった為、物珍しさでつい見てしまう。
そして礼拝堂の扉の前に立ち、ゆっくりとその扉を開ければ蝋燭の匂いがした。
同時に眩しく感じで眉を寄せれば、地面に虹色の光が浮かんでいる。
(ステンドガラスが、太陽の光で辺りを虹色にしてるのか……)
美しく眩しい。
なんて思いながら、視線を地面から上にあげればそこには男が1人膝まづいて十字架に貼り付けられたキリストへと祈りを捧げていた。
「来たか…神澤和泉」
「アンタが、10代目黒龍総長の柴大寿か…」
青と金を混じり合わせた髪の毛に、まるで満月の黄金色で染めたかのような瞳。
そして屈強な体を持つ男はその鋭い眼光で俺へと、視線を向けた。
「なるほど、お前が神澤和泉か。随分小柄な餓鬼だな!」
「会って早々餓鬼呼ばわりかよ…」
「遠回しに言うのもめんどくせぇ!神澤和泉、黒龍に入れ」
「随分はっきり言うなぁ」
柴大寿は大股で歩いてきたかと思えば、俺の目の前に立ち止まりその鋭い目で見下ろしてくる。
もしここに武道がいたら恐怖で泣きそうだな…なんて呑気に思いながらも、俺は目を細めながら見上げた。
「執拗いな。何度も九井を通して伝えたはずだ…黒龍には入らねぇよ。汚れて腐ったようなチームには……」
瞳を開き、柴大寿を睨みつけた。
よくも…よくも真一郎くんが大事に大切にしてきた黒龍を汚しやがって…。
(柴大寿は、黒龍の隊員を金持ちの娯楽に使ってると聞いてる。そして金を巻き上げて、女にさえ容赦しないと)
真一郎くんが作った黒龍はこんな事はしない。
そう憎しみや色んな感情な爆発しそうで、落ち着かせる為に感情を出さないように唇を噛み締めた。
「だいたい、何故俺をそんなに黒龍に入れたい?」
「お前の地位、権力、財力が欲しいからに決まってるだろ」
「…やっぱりか。そんな所だとは思ってたけどな」
俺をチームに入れたいと言う人間は、必ず家の地位や権力に財力を欲しがった。
しかも俺は神澤家の跡取りである為、将来金ヅルにしたいのか誘いが後を絶たない。
「金なら九井がいるだろ。俺はそんな理由でチームに入れようとする奴の下には絶対につかない」