The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
この人は何処までも気遣いが出来る人。
俺が暗かったから、こうして気分転換に横浜まで連れてきてくれたのだろう。
「ありがとうございます…三ツ谷先輩」
「例は要らねぇよ。オレも和泉がいるおかげですげぇ楽しんでるし。2回目のデートもすげぇ楽しいもんだわ」
「ぶっ…!」
三ツ谷先輩の発言に思わず飲みかけていた水を吹き出す所だった。
この人何かしらデートと行ってくるし、俺の反応見てずっとニヤニヤしている。
親切かと思えばそうじゃない。
マジでこの人タチ悪いし、不思議にも程がある男だろうと睨みつけた。
「デートじゃないんで」
「オレはデートと思って楽しんでるけどな?」
「アンタ、今の俺の格好知っててその発言してます?」
俺の今の格好は絶賛男装中。
三ツ谷先輩の服ではあるが、男装だしウィッグも被っている状態。
「んー?別に関係ねぇと思うけどな」
「三ツ谷先輩って……変ですよね」
「それ貶してるのか?」
俺の言葉に苦笑を浮かべた三ツ谷先輩は、グラスに口をつけて水を飲み出す。
その姿を見ながら眉間に皺を寄せていった。
「真面目に三ツ谷先輩って分からないです…。まだ知り合って数日なのにこうまで優しくしてくるし…下心あるとか変な事言い出すし」
「下心あるのは本当。下心なけりゃ、こんな事しねぇよ?オレ」
「さっきも言ってましたけど、その下心ってなんですか」
「海の所でも言っただろ?もっと距離を縮めたいって」
それがよく分からないのだ。
距離を縮めたいって、どういう意味が含まれているのかが分からない。
今まで下心がある人間は、地位や金欲しさ。
だけど三ツ谷先輩はそれがまったく感じ取れないか困る。
「お待たせしました。アサリの海鮮系パスタにカニとトマトのリゾットです」
沈黙が流れ始めた時、まるでタイミングを見計らって来たのかと思うぐらいタイミングよく店員が料理を運んできた。
そして俺と三ツ谷先輩の目の前に置くと直ぐに姿を消す。
「お、美味そう」
「頂きます」
「頂きますっ」
フォークでパスタを巻いて口に入れれば、塩味と海鮮の風味が口いっぱいに広がった。
アサリ特有の味とエビのぷりぷりとし感触がなんとも言えない。
(美味しいけど、何故か三ツ谷先輩の料理の方が美味しいって感じてしまうんだけどっ…!!)