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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


完全に胃袋掴まれてる…。
それが何故か少し悔しく感じてしまうが、それだけ三ツ谷先輩の作る料理が美味しいという事なのだろう。


「和泉?なんかすげぇ顰めっ面になってねぇ?」

「どっかの誰かさんのせいで」

「ん?」


当の本人は分かってないだろうな。
呆れたように溜息を付きながら、フォークにパスタを巻いてから口に含む。

塩味が強いのも美味しいけど、三ツ谷先輩の優しい味付けが好きになっている。
まさか味覚が変わるとは思はなかったな。


「ん、カニ味噌の味がしっかして美味いな。和泉、食べるか?」

「え?」


パスタを食べていれば、三ツ谷先輩がリゾットをスプーンに乗せてから俺の目の前に差し出してくる。
それはまさしく『あーん』というやつ。


「俺で遊ぼうとしてます?」

「ん〜?別に、遊ぼうとはしてねぇよ。ただ美味いもんは分け合う方が良いだろう?」

「スプーンをくれたら嬉しいんですが…」

「これ、ダメか?」

「ダメですね」


残念そうに笑いながら、三ツ谷先輩はスプーンを渡してきたので少し躊躇しながらもリゾットを口にした。
濃厚な味噌の味と時折歯に当たる蟹の身の感触、確かに美味しい。


「美味しいです…」

「ふはっ!顰めっ面で言いうなよ」


眉間に皺を寄せながら、俺は口を動かしてリゾットを咀嚼していく。
そしてまたパスタを口にいれてと、ゆっくりと平らげていった。

皿を空にしてから、少し休憩しながらまた海へと視線を投げていれば視線を感じた。
それを辿るように視線を其方へと向ければ、三ツ谷先輩が俺を見ている。


「何ですか?」

「いや…和泉の横顔って綺麗だなぁって」

「急に…何ですか……」

「照れてる?」

「うるさいです」

「ははっ!和泉って意外と照れ隠し下手くそだよな…。そろそろ出るか」

「そうですね…」


立ち上がって、伝票を持ってからレジへと向かおうとすれば伝票を三ツ谷先輩に掠め取られた。
少し驚いてから、直ぐに三ツ谷先輩を見る。


「割り勘ですからね」

「そこは払わせてくれよ」

「嫌です」

「頑固だなぁ…。ここはカッコつけさせてくれよ」


目を細めながら微笑む三ツ谷先輩に、ぐっと言葉が喉に詰まったが嫌だというのを目線で訴えていれば苦笑を浮かべながらレジへと向かってしまった。
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