The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
何時も通りには戻らないかもしれない。
ギクシャクするかもしれない…自分勝手な発言かもしれないが、俺はきっと誰かと恋なんて出来ないのだ。
俺みたいな厄介な人間じゃない誰かと幸せに…。
「じゃあな」
『ああ…』
電話を切りポケットへと収める。
そして波打つ海を眺めながら、ボーとしていた時であった。
ピトッと頬に冷たいものが触れたのは。
「ひっ!!??」
「ふっ…くくっ……」
「……三ツ谷先輩??」
後ろを振り向けば、ペットボトルのコーラを手にした三ツ谷先輩。
悪戯っ子な笑みを浮かべており、かなり冷えたペットボトルを俺の頬に付けて反応を見て笑っている。
大人っぽいと思ったが中身はまだまだ子供だな。
そう思いながら睨んでいれば、三ツ谷先輩は笑ったまま俺の隣に腰掛ける。
「ごめんごめん。そんな睨むなよ」
「睨むような事をされたのは三ツ谷先輩ですけど??」
「だって、和泉眉間にシワが寄ってたから」
トンっと眉間を指でつかれる。
自分では分かってなかったが、眉間に皺が寄っていたんだなと突かれた場所を撫でた。
「電話相手、昨日言ってたヤツ?」
「……はい。謝罪の電話で…完全に仲が修復するかは分からないけど……なんとか」
「そっか。なら…良かったな」
そう言いながら三ツ谷先輩は優しく頭を撫でてくる。
髪の毛を梳きながら、時折親指の腹で摩る撫で方に瞳を細くさせた。
「三ツ谷先輩って…下心無さそうですよね」
「……ん?」
「いや…俺に大抵近寄る人間とか意味もなく優しくする人間って大抵利用したいっていう下心があるのが多くて」
「…オレも下心あるから優しくしてるんだけどな。まぁオレの下心は利用したいってヤツじゃないけどな?」
「え?」
すると三ツ谷先輩の顔が近づき、頬に手が添えられて思わず体がビクッと跳ねた。
顔が近いのとやけに手の温もりが敏感に伝わる。
「オレの下心は、もっと和泉と距離縮めたいって意味なんだけどな」
「っ…!!」
「ははっ、和泉顔真っ赤」
誰が顔を赤くさせてると思ってんだ。
そう思いながら睨んでいたが、三ツ谷先輩は笑っているばかり。
この人本当にタチが悪い。
それだけじゃないし、人の中をかき乱すし本当に厄介な人だと思う。
「三ツ谷先輩本当にタチが悪いっ…」