The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
手を繋ぎながら、三ツ谷先輩のお母さんはニコニコとしながら話を続ける。
その笑顔が三ツ谷先輩と似ているのはやはり親子だからだろう。
「母ちゃん飯食うの!?食わねぇの!?」
「食べるよ。ふふ、和泉ちゃん…良かったらあの子を好きになってあげてね」
「………え?」
「いただきまーす♪」
とんでもない発言を耳元で囁いた三ツ谷先輩のお母さんは、何事も無かったように朝食を食べ始めていた。
そして固まっている俺を見た三ツ谷先輩が、怪訝そうな表情をしながら近寄ってくる。
近寄りながら交互に俺と三ツ谷先輩のお母さんを見て、そして眉間に深い皺を寄せている。
すると三ツ谷先輩は顔を近づけた。
「母ちゃんに、何言われた?」
「え……あ…いや」
「母ちゃん!和泉、何言ったんだ!?」
「別にー。あ、早く食べないと遅れちゃう」
白々しくそう言いながら三ツ谷先輩のお母さんは朝食を食べ続けており、俺は視線をアチコチにさ迷わせる。
暫くすれば諦めたのか三ツ谷先輩が深い溜息をつく。
「和泉、ルナマナ起こしてくれるか。今日アイツら朝から友達ん家に行くって言ってたからな」
「あ、分かりました…」
「ふふ。若いっていいわね」
そんな言葉が聞こえたが、俺は敢えて聞こえないフリをしてからルナマナちゃんを起こしに向かう。
寝起きが少し悪い2人だが直ぐに何とか起きてくれたのは、三ツ谷先輩のお母さんの声が聞こえたから。
「ママー!!」
「ママがいる!!」
「おはよ、ルナマナ」
「今日おやすみ?」
「それがまた出なきゃいけないの。ごめんね」
三ツ谷先輩に聞いたが、三ツ谷先輩のお母さんはいくつ物仕事を掛け持ちしているらしく中々家に帰って来れないと。
だからこうして朝仮眠しに帰ってきてはまた仕事場へと向かうらしい。
そしてルナマナちゃんは酷く寂しげだった。
やはりこの年代の子達は母親が恋しいものである。
だが2人はわがままを決して言わずにいたが、寂しげな表情を浮かべていた。
「…ルナマナ!ほら朝飯食ったら、友達の家に行くんだろ。早く食っちまえ」
「うん」
「お腹空いた〜」
「和泉も、座って食べろよ」
「はい。ありがとうございます」
机に並んでいる朝食を見て気分がホワホワする。
何せ朝食は食べる事がそうないから。